裏切り者のブラジル人に足りないもの

これまた中東時代のお話です。

私の働いていた部署にはブラジル人が3人いました。

彼らはブラジル時代からの知り合いでプライベートも仕事もいつも一緒な仲良しさん。全員タイプが違うバランスの取れた3人組でした。

でもある日、事件が起きたのです。。

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突然の解散宣告

私が働いていた部署はリーダーのアラブ人、ブラジル人3人、そして私のチーム。

ある日、アラブ人が青い顔をして部屋に入ってきました。

なんとも絶望した顔をしています。ブラジル人たちはどうしたんだと騒ぎ出し、私はただ皆の様子を見ていました。

すると、アラブ人はポツリポツリと話し始めました。完結にまとめると、

  • 今日でこのチームは解散するということ
  • 社長からの突然の命令で、掛け合ったけど事実は変えられないということ
  • ブラジル人のうち2人は即刻解雇になること

…なにそれ!!

メンバーの状況

日本は労働基準法で社員は守られていますが、海外はそのへんシビアです。しかも労働ビザをもらって働いている外国人は次の会社が期限内に見つからなければ国に留まることは出来ません。期限は国によって違いますが、私の働いていた国ではたしか数週間だったと記憶しています。

つまり解雇されるブラジル人2人は数週間内に転職先を探さないと国を出て行かねばならないということ。

彼らにだって生活があります。1人には奥さんもいました。車も持っていてアパートもあって、そういったものや家具などすべてを売って数週間で出て行けと突きつけられたようなものです。

彼らはすぐに別の会社を探し始めました。

アラブ人と私、そしてブラジル人の1人は他の部署に移動になったということです。

アラブ人はどこでも優遇されますからその待遇には驚きませんでした。私はたまたま運よく他の部署にハマったらしくそっちで頑張ってね~とのこと。

そしてブラジル人の内たった一人残った彼は、なんと他の部署のリーダーに抜擢。数人の部下を持って働くことになって待遇が大幅にアップしたのです!

不穏な空気

アラブ人とブラジル人解雇組の2人は、なぜ彼だけがそんな得な状況になったのか納得がいっていないようでした。

そりゃそうです。彼らはいつもチームでやってきていて、なんで彼だけ?というのは私も思いましたから。

そしてアラブ人たちには突然の勧告でしたが、その彼が何もせずそんな好待遇を手に入れられるはずはなく、間違いなく彼はそのことについて事前に上から打診されていたということになります。

それは彼が前からチームが解散になる事実を知っていたことを意味していました。

となると、ブラジル人2人は仲良しだと信じて疑わなかった友人から裏切られていたことになります。

国を出て行かねばならなくなるような大変な状況になることを知っていたのなら事前に教えてくれていれば対応する時間も稼げたのに、彼は黙っていたんです…。

さようなら仲良し3人組

その日から彼らが3人でいることはなくなりました。

すごく気の合う仲良しだと思っていたのに、それを傍で見ていた私も悲しかったです。

その後程なくして1人が就職先を見つけることができ、もう1人の彼もその会社に一緒に拾ってもらえることになりました。

国を出るという最悪の状況だけは免れましたが、もう前とは変わってしまいました。彼らが3人仲良く笑う姿を見ることはありません。

そんな解散事件が起こってしまったのも、元はと言えばリーダーのアラブ人がしっかりチームを引導できなかったことにあります。

ほんとしっかりしてくれ!って感じです。

まとめ

出世したブラジル人は、あれだけ仲の良かった友達を裏切ってまでその地位が欲しかったのでしょうか?

親友と呼べる人なんてそうそう簡単に出来るものではありません。その数人の部下を持つという地位と交換するにはあまりにも大きなものだったのではないかと思えてなりません。

もう少しこのブラジル人に人の立場に立って想像する思いやりがあれば…。

いつも人に優しさと思いやりを持って接することが出来る人間でいたいものです。